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ChatGPT・Gemini・Claudeに表記ゆれの顧客リストを整形させたら10点満点は2社だった|重複データを見逃したのはGeminiだけ

この記事は に運営者が実際に検証した内容に基づきます。


「仕事タスク実測」シリーズの第3弾。第1弾の会議要約対決、第2弾のExcel関数対決に続き、今回のお題は表記ゆれだらけの顧客リストの整形だ。関数と同じく、整形のルールさえ決めておけば正誤は機械的に判定できる。そこで今回は「株式会社→(株)への統一」「数字・アルファベットの半角統一」「電話番号のハイフン統一」「氏名のスペース統一」「日付形式の統一」という5つのルールをあらかじめ提示し、さらに気づかないと減点になる罠を4つ仕込んだ。行1と行3が同一顧客の重複データであること、令和表記の日付(R8.7.20)、@が抜けた不正なメールアドレス、全角英字混じりの表記だ。この状態のリストをChatGPT・Gemini・Claudeの3つに一字一句同じ依頼文で投げ、10項目の採点基準で答え合わせした。

検証の条件

  • 検証日: 2026-09-02
  • 使用モデル: ChatGPT(ログインなしの既定モデル)、Gemini(Flash)、Claude(Sonnet 5・低推論設定)
  • 3社に投げた依頼文(一字一句同一)

以下は顧客リストです。Excelに貼り付けて管理したいので、次のルールで整形して表にしてください。 ・会社名の「株式会社」表記は「(株)」に統一 ・数字とアルファベットはすべて半角に統一 ・電話番号はハイフン区切り(例: 03-1234-5678)に統一 ・氏名は姓と名の間に半角スペース1つ ・日付は2026/08/01の形式に統一

顧客リスト:

  1. 株式会社アオバ商事 佐藤 健一 03(1234)5678 sato@aoba.co.jp 登録日2026/8/1
  2. (株)ミナト印刷 鈴木花子 03-9876-5432 SUZUKI@minato.jp 登録日2026-8-15
  3. 株式会社アオバ商事 佐藤健一 0312345678 sato@aoba.co.jp 登録日2026/8/1
  4. ヒカリ物流(株) 田中 大輔 090-1111-2222 tanaka.hikari.jp 登録日R8.7.20
  5. 株式会社そらまめ企画 高橋 美咲 08033334444 takahashi@soramame.co.jp 登録日2026年8月10日

採点基準は10項目×各1点の計10点。前半は依頼した5つのルールが素直な行(1・2)で守れているかを判定し、後半は電話番号の表記ゆれが激しい行(3〜5)を正しく変換できているか、和暦(R8.7.20)を換算できているか、そして行1と行3が同一顧客の重複データだと気づけるかで判定した。

結論から

  1. ChatGPT=10/10、Claude=10/10、Gemini=9/10。Geminiが唯一落としたのは、行1と行3が同一顧客の重複データだという指摘だ。表を並べて出すだけで、重複への言及が回答文中に一切なかった。
  2. 和暦の換算(R8.7.20→2026/07/20)、市外局番の推定(0312345678→03-1234-5678)、全角「co」→半角「co」の変換は3社とも正解した。仕様が明確な変換作業では、今回もほとんど差がつかなかった。
  3. 不正な形式のメールアドレス(tanaka.hikari.jp、@が欠落)は3社とも捏造や補完をせず原文のまま維持した。危険・曖昧なデータへの慎重さは3社で共通している。
  4. Geminiだけ、依頼していない氏名メールの大文字小文字(SUZUKI→suzuki)まで独自に変更していた。指示された範囲を超える改変だ。
  5. 低推論設定(Sonnet 5・低)で臨んだClaudeも満点を達成し、備考欄で異常値を行データに統合するなど、3社の中で最も情報設計が丁寧だった。

ChatGPTの場合

問1〜9はすべて指示どおりの変換で満点だった。重複データも見逃さなかった。

No. 会社名 氏名 電話番号 メールアドレス 登録日
1 (株)アオバ商事 佐藤 健一 03-1234-5678 sato@aoba.co.jp 2026/08/01
2 (株)ミナト印刷 鈴木 花子 03-9876-5432 SUZUKI@minato.jp 2026/08/15
3 (株)アオバ商事 佐藤 健一 03-1234-5678 sato@aoba.co.jp 2026/08/01
4 ヒカリ物流(株) 田中 大輔 090-1111-2222 tanaka.hikari.jp 2026/07/20
5 (株)そらまめ企画 高橋 美咲 080-3333-4444 takahashi@soramame.co.jp 2026/08/10

回答の冒頭で「重複している1番と3番は、元データを保持して別行にしています」と明記し、末尾には3つの注釈を添えている。「R8.7.20」を令和8年=2026年7月20日として変換したこと、行4のメールアドレスは元データのまま「@」が抜けていること、行5の「co」は全角英字だったため半角に統一したことだ。No.列を追加し、タブ区切りでExcelに貼り付けやすい形に整えている点も含め、指示以上の気配りが行き届いていた。

Geminiの場合

会社名 | 氏名 | 電話番号 | メールアドレス | 登録日
(株)アオバ商事 | 佐藤 健一 | 03-1234-5678 | sato@aoba.co.jp | 2026/08/01
(株)ミナト印刷 | 鈴木 花子 | 03-9876-5432 | suzuki@minato.jp | 2026/08/15
(株)アオバ商事 | 佐藤 健一 | 03-1234-5678 | sato@aoba.co.jp | 2026/08/01
ヒカリ物流(株) | 田中 大輔 | 090-1111-2222 | tanaka.hikari.jp | 2026/07/20
(株)そらまめ企画 | 高橋 美咲 | 080-3333-4444 | takahashi@soramame.co.jp | 2026/08/10

電話番号のハイフン統一、和暦の換算、全角「co」の半角化まで、数字面の変換はすべて正解している。ただし表を並べただけで、行1と行3が同一顧客だという指摘が回答のどこにもない。採点基準の中で唯一の失点はここに集中している。加えて、依頼していない「SUZUKI」を「suzuki」へと小文字化しており、これは指示にない独自修正だ。不正なメールアドレス(tanaka.hikari.jp)は他社同様に補完せず原文のまま残しているが、列の追加や注釈は一切なく、5列だけのシンプルな表で終わっている。

Claudeの場合

No 会社名 氏名 電話番号 メールアドレス 登録日 備考
1 (株)アオバ商事 佐藤 健一 03-1234-5678 sato@aoba.co.jp 2026/08/01
2 (株)ミナト印刷 鈴木 花子 03-9876-5432 SUZUKI@minato.jp 2026/08/15
3 (株)アオバ商事 佐藤 健一 03-1234-5678 sato@aoba.co.jp 2026/08/01 No.1と重複の可能性
4 ヒカリ物流(株) 田中 大輔 090-1111-2222 tanaka.hikari.jp 2026/07/20 メールに「@」がなく形式が不完全な可能性
5 (株)そらまめ企画 高橋 美咲 080-3333-4444 takahashi@soramame.co.jp 2026/08/10

冒頭で「番号3は番号1と同一顧客の重複、番号4はメールアドレスに『@』が欠けている可能性がある」と本文中で明記した上、表にも「備考」列を自主的に追加し、行単位で異常フラグを保持している。本文と備考列の二重で注意喚起される分、Excelで運用中に本文の説明が読み飛ばされても情報が失われにくい。補足として、行4の「(株)」の位置(先頭か末尾か)という追加の曖昧点にまで踏み込み、「先頭に揃える場合は変更可能」と代替案も提示した。最後に「CSVファイルとして書き出すこともできます」と、聞かれていない次の一手も提案している。この結果は低推論設定(Sonnet 5・低)で得たものであり、推論を絞った設定でも満点だった点は特筆に値する。

比較表

項目ChatGPTGeminiClaude
得点10/109/1010/10
重複データ(行1=3)の指摘ありなしあり(本文+備考列の二重)
和暦換算(R8.7.20)正解正解正解
不正メールの扱い原文維持+注記原文維持(注記なし)原文維持+本文/備考で二重注記
指示にない大文字小文字変更なしあり(SUZUKI→suzuki)なし
追加列・追加提案No.列なし備考列+CSV出力の提案

使い分け

正確さを最優先するなら、今回はChatGPTかClaudeのどちらでも変わらない。とにかく素早くExcelに貼り付けたいだけなら、No.列とタブ区切りで貼付前提を明言するChatGPTが手早く済む。顧客データのように重複や異常値への気配りまで含めて任せたいなら、備考欄で異常を可視化し曖昧点への代替案まで返してくるClaudeが実務では頼りになる。Geminiは数字面の変換自体は正確だが、今回のように複数行にまたがる罠(重複)を見逃す場面があった上、指示にない大文字小文字の変更という余計な改変も加えている。重要な顧客データの整形をGeminiに任せる場合は、出力をそのまま信じず、重複や表記ゆれの有無を人の目でも確認する一手間を挟みたい。

まとめ

数字や記号の変換ルールが明確な今回のような作業では、3社とも高い精度で応じてくることが改めて確認できた。差がついたのは変換の正確さではなく、依頼文に書かれていない「気づき」の有無だ。行1と行3の重複はルールとして明示されていなかったにもかかわらず、ChatGPTとClaudeは自主的に気づいて指摘した一方、Geminiだけがこれを素通りした。不正なメールアドレスを3社とも捏造せず原文のまま扱った点は変わらず横並びで、危険なデータへの慎重さは信頼していい。ただし「言われていないことに気づけるか」という一点だけは、AIごとに差が出ることを今回の結果は示している。顧客リストのような実務データこそ、変換結果を鵜呑みにせず最後にもう一度、人の目で見直す価値がある。

第1弾の会議の要約対決、第2弾のExcel関数対決もあわせてご覧ください。

本記事は2026年9月2日に、運営者が各サービスを実際に操作して検証した内容に基づく。料金・仕様は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトを確認してほしい。