ChatGPT・Gemini・Claudeに値上げのお知らせメールを書かせて比較|「10%」を書いたのは2つだけだった
この記事は に運営者が実際に検証した内容に基づきます。
値上げの通知は、ビジネスメールの中でも特に神経を使う連絡です。伝え方を間違えると取引の見直しにつながりかねない。一方で、あいまいに書けば「結局いくら上がるのか」と不信を招く——どこまで具体的に書くかが最大の論点になります。
謝罪・催促・断りに続くビジネスメール検証の第4弾。今回もChatGPT・Gemini・Claudeの3つすべてにまったく同じ依頼を投げました。そして今回、シリーズで一番はっきりした判断の分かれ方が出ました。
検証の条件(公平にするために)
- 検証日: 2026年8月7日〜8日
- 使ったプラン/モデル(無料で使える範囲のモデルに揃えています)
- ChatGPT: 無料・ログインなしで使える状態
- Gemini: 無料モデル「Flash」
- Claude: 無料でも使えるモデル「Sonnet 5」
- 投げた依頼(3つとも同一):
取引先へ、原材料費の高騰により、次回の契約更新時から価格を10%引き上げさせていただく旨を伝えるお知らせメールを作成してください。今後の関係を損なわないよう、丁寧で誠実な印象になるようにお願いします。
ポイントは、依頼文に**「10%」という具体的な数字を入れた**ことです。これをそのまま書くのか、ぼかすのか。
結論から: 「10%」を書いたのは2つだけ
- ChatGPT: 書かない。「価格を改定させていただきたく」とだけ伝え、「具体的な改定内容につきましては、別途ご説明の機会をいただけますと幸いです」と数字を対面説明に回す構成
- Gemini: 書く。ビジネス文書の**「記」書き**で「改定内容: 現行より10%引き上げ」「適用時期: 次回の契約更新時」と明記
- Claude: 書く。「価格を10%引き上げさせていただきたく」と文章の流れの中で自然に明記
同じ依頼から、正反対の判断が出ました。以下、それぞれの中身です。
それぞれの結果
ChatGPT の場合
シリーズ4回連続の、本文のみの最小構成。件名は「価格改定のお願いについて」。
弊社といたしましても、これまで生産・業務の効率化やコスト削減に努め、価格維持に尽力してまいりましたが、企業努力のみでは吸収しきれない状況となり——
と、値上げ通知の定番「企業努力ロジック」をきちんと押さえた上で、依頼文で指定した10%をあえて書きませんでした。末尾には「値上げ幅・改定前後の価格・適用開始日を明記した、より実務的なバージョンにも調整できます」との提案があるので、書き忘れではなく意図的な設計です。
第一報では波風を立てず、数字は対面で——という実務でよくある段階的アプローチと言えますが、「10%と伝えて」という指示への忠実度では減点とも取れます。評価が分かれる判断です。
→ 第一報をソフトに入れたい人向け。ただし数字を入れたい場合は追加指示が必要です。
Gemini の場合
シリーズ4回連続の完全穴埋め式で、今回は**「記」書き**が登場しました。
記
- 改定内容 対象製品の価格を現行より 10% 引き上げさせていただきます。
- 適用時期 次回の契約更新時([具体的な日付や時期を記載])より適用
改定内容と適用時期を正式文書の形式で明記する、3社で最もフォーマルな作りです。件名は「【重要】価格改定に関するお知らせとご協力のお願い」。謝罪で【重要】、催促で【ご確認】、断りで【ご相談】ときて、値上げで【重要】に戻りました。Geminiは件名の【 】で用件の重さを段階づけていることがシリーズを通してはっきりしました。
→ 正式な通知文書として一度で伝え切りたい人向け。数字・時期の明記で二度手間がありません。
Claude の場合
宛先から署名まで完備の〇〇方式、件名は「原材料価格高騰に伴う価格改定のお願い」と今回も【 】なし。
つきましては、誠に勝手ながら次回契約更新時より、価格を10%引き上げさせていただきたく、ここにご案内申し上げます。
と、10%を文中で自然に明記。「記」書きほど硬くせず、しかし数字は伝え切る中間路線です。「ご不明な点があれば担当者より詳細をご説明します」と対面フォローの導線も用意していました。
末尾には「値上げの背景をより具体的に補足したい場合(特定原材料名や為替影響など)があれば調整します」と、今回も深掘りの再提案。4回連続で「次の一手」を差し出してきました。
→ 文面の柔らかさと情報の明確さを両立したい人向け。
比較表
| 観点 | ChatGPT | Gemini | Claude |
|---|---|---|---|
| 件名 | 価格改定のお願いについて | 【重要】価格改定に関するお知らせとご協力のお願い | 原材料価格高騰に伴う価格改定のお願い |
| 10%の明記 | 書かない(別途説明に回す) | 「記」書きで明記 | 文中で自然に明記 |
| 文面の作り方 | 本文のみの完成文 | 宛先〜署名完備の穴埋め式+記書き | 宛先〜署名完備の穴埋め式(〇〇方式) |
| 値上げの理由付け | 企業努力ロジック | 企業努力ロジック+品質維持・安定供給 | 企業努力ロジック+品質維持 |
| 追加の提案 | 実務版への調整 | なし | 背景補足(原材料名・為替など)の調整 |
使ってみて分かった、目的別の使い分け
- まず第一報をソフトに入れたい → ChatGPT。数字を対面に回す段階的アプローチ。ただし数字を入れるなら追加指示を。
- 正式な通知として一度で伝え切りたい → Gemini。「記」書きで数字・時期を明記、二度手間なし。
- 柔らかさと明確さを両立したい → Claude。文中で数字を伝えつつ、対面フォローの導線つき。
まとめ
シリーズ4回目にして、「指示した情報をどこまで書くか」という判断が3社で割れるという一番大きな違いが出ました。「10%」はぼかすのが配慮なのか、明記するのが誠実なのか——これは正解のない実務判断で、AIごとに「型」が違うことを知らずに使うと、意図しないメールを送ることになります。
3社共通だったのは「企業努力では吸収しきれない」という値上げの定番ロジックと、品質維持という見返りの提示。基本の型は全員が押さえた上で、情報開示の姿勢だけが分かれた、という構図です。
送信前チェックはこれまで以上に重要です。値上げ幅・適用時期が入っているか、それが自社の方針と合っているか。AIの「型」に任せきりにせず、必ず確認してください。
このサイトでは、謝罪・催促・断りのビジネスメール比較シリーズをはじめ、実際に使って試した検証を続けています。
本記事は2026年8月7日〜8日に、運営者が各サービスを実際に操作して検証した内容に基づきます。料金・仕様は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。